こんにちは。
トレーナーの阿立です。
本日はHMBについてお話していきます。
HMBっていうサプリメントは聞いたことはあるけど(広告などで)効果はどういうものかわからない。という方が多いのではないでしょうか。
その謎多きHMBについてお話していきます。
1996年、アイオワ州立大学は、HMBによる動物実験の結果をもとに、世界で初めてヒトに対する臨床実験を行い、HMBが筋タンパク質の分解を抑え、トレーニング効果を高める可能性があることを明らかにしました。
HMBはロイシンの代謝産物のことをいいます。
ロイシンは筋肉のもととなる筋タンパク質の合成にもっとも重要であるアミノ酸のひとつです。
このロイシンが筋肉や肝臓で代謝され、生み出されたのがHMBです。
【HMBの4つの効果】
国際スポーツ栄養学会は、トレーニングに対するHMBの効果について4つのエビデンスを示しています。
それは「筋肥大の増大」、「筋損傷の回復」、「加齢による筋肉減少の予防」、「脂肪量の減少」です。
【筋肥大の増大】
筋肥大は、筋肉のもととなる筋タンパク質の合成作用が分解作用を上回ることにより生じます。
筋タンパク質の合成作用はmTORという酵素により高まり、分解作用は主にユビキチンプロテアソームという酵素の集合体により高まります。
HMBにはmTORを活性化させ、ユビキチンプロテアソームを減弱させる効果があります。
この効果もとに、HMBを摂取したときの筋タンパク質の合成・分解作用を計測した研究では、合成作用が増加し、分解作用が減少することにより、トレーニング後の筋肥大が有意に増大することが示唆されています。
これがHMBによりトレーニング後の筋肥大の効果が増大すると言われる理由です。
【筋損傷の回復】
トレーニングによる筋肉痛は誰でも経験したことがあると思います。
これは遅発性筋肉痛(DOMS)と呼ばれており、過度な機械的刺激が筋肉を損傷させ、筋タンパク質の分解を高めるとともに炎症および酵素の流出によって生じることがわかっています。
高負荷トレーニングに対してはHMBの摂取によりトレーニング後の筋損傷が低下するとともに、筋タンパク質の分解作用が抑制されることがわかっています。
これがHMBがトレーニングによる遅発性筋肉痛の回復を高めると言われる理由です。
しかし、HMBによる筋肥大の増大と筋肉痛の回復の効果にはトレーニング経験の有無が大きく寄与することに注意が必要です。
HMBの効果の恩恵は、トレーニング未経験者や初心者が多く発揮されます。
これに対して、トレーニング経験者の場合は、過度なトレーニングを行った場合のみ効果が発揮されます。
これは、初心者に比べて経験者は、トレーニングによる筋タンパク質の分解作用が少ないことが理由とされています。
【加齢による筋肉減少の予防】
日本人の筋肉量は、男女ともに40歳を過ぎると減っていき、80歳までに最大10%も減少することが示されています。
これは加齢にともない、筋タンパク質の合成抵抗性が高まるためです。そのため、高齢になっても筋肉量を維持したい場合は、より多くのアミノ酸の摂取が必要になります。
特にアミノ酸の中でも、ロイシンが筋タンパク質の合成抵抗性に効果的であることが示されており、その代謝産物であるHMBにおいても同様の効果が報告されています。
これがHMBが加齢にともなう筋肉量の減少を予防すると言われる理由です。
【脂肪量の減少】
ボディービルダーや体重別スポーツでは、筋肉量(除脂肪量)を維持して、脂肪量を落とすことが求められます。
しかしながら、カロリー制限をすることにより筋肉量も減少しやすくなります。これに対して、HMBを摂取することにより、筋肉量を維持できるとともに、脂肪量が減少しやすくなることが示されています。
HMBが脂肪量の減少に関するメカニズムはまだ明らかになっていませんが、このような背景からHMBは筋肉量を維持し、脂肪量を減少させる効果が示唆されているのです。
これらの結果から、国際スポーツ栄養学会では、HMBによる4つの効果のエビデンスを記しています。
① HMBは筋タンパク質の合成を促進し、分解を抑制することによりトレーニングによる筋肥大効果を増大させる(特にトレーニング初心者)
② HMBは筋トレ後の筋損傷の回復を高める(特にトレーニング初心者)
③ HMBは加齢による筋肉減少を予防する
④ HMBはカロリー制限と組み合わせることで脂肪量の減少を促進させる
これらがHMBの効果になります。
トレーニングをしている方はとって摂取して損はないサプリメントです。
ぜひ試してみてください!
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